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hanana徒然

ジョンくんのはなし1

どれもこれも中途半端だけど、今日はジョンくんのはなし。

私がまだ保育園に通う頃、東京から地方に引っ越した。

その引っ越して何日もたたないうちに、1匹のオスの野良犬が家にやってきた。
子犬ではなくて、年寄りでもなくて。
1歳か2歳ぐらいだったのかな。私も小さかったのでそこまでは覚えてないな。

うちの敷地に入ってきた彼に、缶詰とパンをあげた。
次の日、また彼はやってきた。その次の日も。
動物好きな我が家には珍しく、そのときは動物がいなかったので、飼っちゃおうかで彼は家族になった。

名前はジョン。
オーソドックスw。

このジョンくん、なかなかニヒルなワンくんで、野良犬生活が染み付いているのか放浪癖が。
当時はあまりうるさくなかったこともあるし、田舎だったこともあって、時々首輪から鎖をはずして自由に走り回らせてた。
気が済んでお腹がすくと家に戻ってきた。
そんなことができたのは最初のうちだけで、ほどなくして犬を放すことができなくなると、散歩の隙を見ては逃げ出す。
子供だったので散歩の途中でついリードを離してしまったりすると、全速力で逃げるのだw。
そして、散々遊びまわって気が済むと戻ってくる。
1週間近くいなくなることもあった。
1回か2回、迷い犬の張り紙を作った記憶があるなぁ。

帰ってくると決まって、体中きたなーくて生ごみの臭いがプンプン。。
でも目だけは「楽しかったぜ!」とキラキラしてたなぁ。

うちから飛び出すのが好きなジョンくんだけど、我々が家族である、という認識は確かにあった。

まだ犬を放せた頃、家族で遊びに行こうとしたとき、出発前にジョンくんの鎖を外して自由にしてあげた。
そして車に乗り込み、いざ出発。

主要道路に出てちょっとすると、突然親が叫んだ。

「ジョンがついてきてる!!!」

ええええ!!??
後部座席から後ろをみると、確かにジョンくんが車のすぐ後ろをもうダッシュで追いかけてる。
もちろんその後ろには車が。。。

とにかくもう一心不乱に追いかけてくる。
危ないからと、わき道に入ってそのまま家に戻る。
その間ずっとジョンくんはついてきた。

後ろの車はびっくりしただろうな~^-^;

ジョンくんはうちに来る前に、どこかの家で捨てられたのかな。。?

いつもは鎖を外すと喜んで遊びに行くはずのジョンくんが、家族全員が車に乗って出かけたとき、一心不乱に追いかけてきた。
いたずらに追いかける性格では絶対にない。
「おいていかれる」
そう思ったのかな。。。

保育園、幼稚園、小・中学校と私も大きくなっていった。
その間、ジョンくんの散歩は私の仕事。

子供ながらの残酷さでかわいそうなこともした。
散歩に行きたくなくて、でも行かなきゃいけなくて、そばの公園までいって時間になるまでブランコしてたりとか。
まだ雪が多かった頃、そして私が小さくて軽かった頃w、そしてジョンくんの活力がMAXだった頃、ミニスキーをはいてジョンくんにひっぱってもらったりもした。胴輪じゃなくて首輪だったのにT-T
とにかくもう散歩が大好きで、リードを持ってそばに行くと鎖からリードに繋ぎなおせないくらい大はしゃぎだった。

ジョンくんの住まいは我が家の庭。
居間の濡れ縁に繋いでいたので、ご飯は濡れ縁の上であげる。

ジョンくん、お手もおかわりも完璧。
ご飯の前に、お手・おかわり、そして最後の一吼え「わん」が義務だった。
お腹が空いてると目の前のご飯に矢も立てもたまらず、お手とおかわりを何も言わなくてもぐいぐい押し付けてくる。
そこまでは完璧なのに、最後のわんができない。
覚えていないのではなくて、目の前のご飯に興奮しすぎて吼えられなくなるのだ。

「クフゥ・・・ウ、ウフォン・・・」

「だ~め。わん!」

「クフォゥン・・・ファン!」

それじゃダメなのが本人もわかるのか、すっくと立ち上がりぐるぐる回って座りなおす。
あごを引いて、上目遣いでこちらをみて、
「・・・・・・ワン!!」

そんなに欲しがっているんだから、すぐに食べさせたらいいのに、と言われそうだけど、その余りの興奮具合と必死さが可愛くて、毎回ご飯のときにワンさせてたなぁ。

ジョンくんは、私が「ペット」という意識をもつ前からいたペットだった。
「ペット」とか「友達」とか「親友」とか、そういうことを意識する前からのジョンくん。

私にとって、ジョンくんは「ジョンくん」だった。
by hananap | 2004-12-07 19:36 | わんこ・にゃんこ
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付き合い始めからのんびりブログを始めてもう4年半。ゴールが見えてきたようです。

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